11月28日完成の新作です。題名は『寿ければ辱多し』(命長ければ辱多し)です。
今回はイラストレータ、フォトショップだけでなくPainterというソフトも使用しています。
今回も3次元人形作成ソフトPoserを使用。
◆この作品の詳しい説明です。
この作品の場面は火星で、火星に作った人間の移住基地です。
現在、電気自動車製造メーカー、テスラCEOのイーロンマスクは、Paypalの創業者仲間であるピーター・ティールとともにスペースXという火星移住計画を推進してます。
移住計画を立てたのは地球が資源の争奪戦になり、安全に住めなくなるかもしれないからだそうです。
IT富豪のピーター・ティールの人生の目標は死の克服です。身体が老化してもロボットになって永遠にこの世に存在したいそうです。
この絵は、以前に脳だけ残しロボットになったマスクが、とうとう脳も老化したため、人工頭脳に自分の全記憶をインストールして全身機械になった直後の光景です。
手術後、金色に輝く隼が一羽現れます。この鳥は手塚治虫の『火の鳥』、すなわち不死鳥です。ロボットになって生きる人間の事は『火の鳥 復活編』にも描かれています。
手塚はこの予言を1970年代にしました。
手塚は移民受け入れと、日本人が移民を虐めることまで予言しています。
『火の鳥』は人間はいつの時代にも不老不死を求めて火の鳥の生き血を飲もうと悪戦苦闘する物語です。
さて、 題名の『命長ければ辱多し』は老荘思想の荘子に出てくる言葉です。
老荘思想には「長生きすれば恥が多くなるから、この世に用が済んだらさっさと死ぬがよい。成功したらさっさと身を引いて静かに暮らすのが良い。無為自然に生きよ。非難されるべき人間を非難できる立場にあっても非難するな。自分の身に危険が及ぶから」と言う思想があるます。
『火の鳥』では地球は環境破壊と発達した科学技術、核戦争などで滅び、やがて再生し、しかし人間は愚かなのでまた滅びる。これを何度も繰り返すと言っています。
現在の世界は、正に手塚治虫の予言通りに進んでいますよね。
精神分析医のC・G・ユングは老子は人生への高い洞察を得た老賢者の典型であると言っています。