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イノベーション・オブ・ライフ

 先日、海外有名MBA(経営大学院=ビジネススクール)への進学予備校である青山TGの、MIT(マサチューセッツ工科大学)MBAスローン校を卒業した宮崎さんの講演を聴いて刺激を受けた事もあり、最近はイノベーションの起こし方について研究しています。

 イノベーションに関する良書を探している中で、ハーバード・ビジネススクールでマーケティングの世界的スターであるマイケル・ポーターと並んで指導方法が優れている事で受講生の評判の良いクレイトン・M・クリステンセンの名著『イノベーション・オブ・ライフ』を読みました。

 本の内容はイノベーションというより、「人生のターニングポイントでの選択の仕方をビジネスで得られた理論で決定すると良いですよ」と言うものです。

 クリステンセンは彼のハーバードでの最終講義で「大学在学中にじっくり時間をかけて人生の目的について考えれば、あとで振り返った時、それが人生で発見した一番大切なことだったと必ず思うはずだ。社会に出れば、ペースの速いキャリアや家族に対する責任などに時間をとられ、周りが見えなくなることが多い。

 自分の目的をはっきり意識する事は、長い目で見れば、活動基準原価計算(ABC)やバランススコアシート、破壊的イノベーション、ファイズフォース分析といったハーバードで教える重要な経営理論の知識に勝るのだ。」と語っています。

 私は外科医を目指していたのですが、2浪して果たせず文系の大学に入学してしまいました。進路について思い悩み、結局幼い頃から絵画の天才少年だった事から高校の教員になって画家を目指し、画家として生計を立てられる目途が付いたら独立するという目標を立てました。

 その後ずっと絵を描き続け、日本を代表する画廊である東京画廊の山本豊津さんから村上隆と同等の才能を有していると評価されるまでになりました
 ただし、絵画で収入を得ている訳ではないので成功したと言えるのかどうか。

職業を心の底からのやりがいでは無く報酬や安定性で選ぶと犯罪などの失敗に転落する事が多い

 クリステンセンがこの本を執筆する動機が、彼と同じようにハーバードを卒業しオックスフォード大学に留学したようなエリートたちがエンロン事件で逮捕されたり、家庭が崩壊したりと人生を持ち持ち崩して行ったのを見て衝撃を受けたからだそうです。
 エリートが陥る失敗の罠は何なのかを知りたかったからだそうです。
 
 私も50歳半ばを過ぎて、若い頃に憧れた女子アナの人たちも退職する年齢となり、その人の人生が今どうなったかを知る歳となりました、ご存知のように女子アナの人は宝塚出身のスターの方などとともに独身が凄く多いですよね。
 独身の女子アナの人を観ていると、ある程度の年齢に達するとお局様と恐れらたり、定年を前に急激に老けていったりで明らかに独身でいることに悩んでいる様子が見えます。

 クリステンセンは「仕事、結婚、子育てなどについて、会社が戦略で資金を色んな分野に明けて比重を変えて投資するように、本当に仕事だけでいいのかを結婚適齢期に検討すべきではないか?」と言います。

 また、今の若い人はとにかく安定志向ですがクリステンセンは「たとえ安定していても5時に帰れても、嫌な上司がいなくても好きでもない仕事を好きになれる事はなく結局苦痛でしかない。 高い報酬や組織の安定性などは健康で言えば衛生面にあたり整っていればストレスが少なく病気になりづらいが、だからと言って仕事に満足する事は無い。そしてほとんどの人が衛生面を重視して仕事を選んでしまっている。」と語ります。

 これは身につまされますが、私は絵を描きたいがために高校教員になりましたが5年で退職しました。今回続かないのが当たり前なんだと改めて実感しました。
 
 今、私は事業の経営をしながら現代美術家としても活動しています。けっして大成功している訳でもないですが才能は高く評価されているので将来に希望が無い訳でもない。
 もし他の職業、例えば次になりたかった東京のキー局のTV局員になってプロデューサーなどのクリエイト職になっていたとしたららどうだっか?
 最初のうちはきっと楽しかったとは思いますが、年々心身ともに苦しくなっていったと思います。なぜなら、TV局こそが本当に重要な情報、例えば日本の予算は大半が特別会計で毎年余っているとか、福島原発の事故は二重電源喪失などの無いと言い放った安倍晋三と甘利明のせいだとかは絶対放送せず、アメリカの意向に沿わない放送は出来ません。国民を群盲のままにして洗脳・操作しているのがTVです。

 東京のキー局こそ日本の極悪企業の極みでしょう。

 TV局の社員はロッキード事件の商社マンと同じで悪いと知っていながらトップの意向の通りに番組を作って流す。
 私は年々この事に耐えられなくなっていったでしょう。

 クリステンセンは「あなたのなりたい人、目標とする自画像は誰ですか?それを時間のある学生時代に徹底して考えなさい」と説きます。

 ピータードラッガーは「あなたの企業の目的は何ですか・もしそれが分からず、それにそって経営できなければやがてあなたの企業は潰れるでしょう」と説きます。

 大学生時代に画家志望を父に伝えたら「絵でなんて食えない。メディアの性格から言ってもう絵の時代じゃない。絵は時代遅れの芸術だ」と言われましたが、エリザベス・ペイトンのニューペインティングによる具象画の復活以来空前の世界的なアートブーム、一点物の珍重の時代に入りました。
 今はインターネットでアート作品とアーティストのマーケティングが出来るようになった時代。
 そして、あれほどの人気と高収入を得られたロックなどの音楽産業が衰退した現状を見ると、まさかこんな時代が来るとは思ってもみなかったというのが実感です。

 「どの職業を選べば今後有利か?」と考えても意味は無いのかもしれません。

 それよりも「自分は何を一生の仕事として目標にするのか?どんな家庭を築きたいのか?」を徹底して考え抜くことだと思います。

 古代から賢人は「汝自身を知れ」と言いました。しかし経験上『自分の才能とその大きさのレベル』を知ることぐらい難しい事は無いと思います。

 
 

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