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芸術作品としての版画の価値。資産価値のある版画はどこで購入すれば良いの?

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芸術品としての版画の資産価値

浜口陽三 蝶 版画 画像

浜口陽三の名前とエディションナンバーのサイン

 版画は複製芸術のため、絵画のような資産価値を持つのかどうか疑問に思う方が多いと思います。

 池田満寿夫のような版画家や杉本博司、虻川実花など著名な写真家が画家や彫刻家よりも芸術家として美術業界で一段低く見られるということはありません。

 しかし、版画家や写真家は絵画や彫刻のような一点物の作品を制作するわけではありません。

 では、何を売るのか?

 版画や写真を部数限定で売ります。 限定100枚とか。そして作者の名前と通し番号を余白にサインします。

 このように限定○○部で刷るのが何回目か? 初版か第2版か?というこの版のことを エディション(Edition)といい、通し番号をエディション・ナンバーとよびます。

 例えば、ピカソの絵は1点平均で1億で売れるとします。

 版画界のピカソと言われた浜口陽三は原版1枚につい初版で100部刷り、1枚100万円で売ります。

 結果は同じ1億円が作家の手元に入ります。

 時間とともに、特に作家が亡くなった場合はそれ以上新作が世に出る事がないため作品は値上がりしていきます。

 これは写真も版画も同じなのです。

 ですから版画の価値を決めるのが、作家がどれぐらいのブランド価値を持つのか?サインが本物かどうか?

 何回目の刷りの何番目の作品なのか?ということなのです。

 これはジークレー版画でも同じです。

 もうお分かりの通り、美術品のコレクションとしては版画は絵画や彫刻よりも遥かに手頃で手を出しやすいのです。

 ですからアートコレクションの入門としてもお勧めです。  

どこで購入すれば良いの?

  
 では、資産価値のある版画はどこで購入すれば良いのでしょうか?

 ヒロヤマガタやラッセン、といった作家のシルクスクリーンやリトグラフと表記された作品は、アメリカのガゴシアンギャラリーを頂点とするアート界にはまったく評価されていません

 しかし、好きで購入して部屋に飾るぶんにはその人の趣味ですから何らかまわないのです。

 ただ、こういいたこういった版画は最近こそジークレー版画(顔料インク印刷)も増えて来たようですが、染料インク印刷や写真などのオフセット印刷のものも混じっていたりして、耐光性にも不安が残ります。
(参考ページ ラッセンなどの版画を扱っているアートアレックスギャラリーさんのサイト)

 部屋に飾っても、環境によっては数年ももたず日焼け・変色・劣化してしまうかもしれません。

 ゆえに、これらの作家の複製画は資産価値はゼロと言ってよいです。

 銅版画やリトグラフの版画用インクも、特に昔のものになればなるほど耐光性は決して優れているとは言えないでしょう。

池田満寿夫 タエコの昼食 画像

池田満寿夫 タエコの朝食

 ちなみに国産の銅版画用絵具は油絵具を販売している老舗の文房堂さんしか作っていないそうです。

 オディロン・ルドンのリトグラフも、変色保護のためパステル画同様展覧会で展示の時にも、ルーブル美術館のルドン作品展示の一室もほの暗い部屋で作品のみを人工の光で淡く照明しています

 ですから、大切な版画やパステル画は常に部屋に飾っておくことには十分に注意すべきです。

 さて、ルドンやアルブレヒト・デューラー、浜口陽三、長谷川潔や池田満寿夫の版画は高い資産価値を持ち、すでに評価も価格もほぼ定まっています。

 しかし、彼らもその版画を売り出していた若い時があり、株式と同じでその時買った人が一番価格高騰の恩恵を受けていることは言うまでもありません

 ですから、これは日本人が苦手で欧米人が得意な購入方法だと東京画廊の山本豊津代表がいっていますが、株も絵画も版画も、まだ評価の低い有望株の作家の作品を買うのが賢い購入の仕方でしょう

 つまりは、絵画や彫刻の購入の仕方と版画の購入の仕方に何ら違いはないのです。

 ただ、日本で言えばタカ・イシイギャラリーは杉本博司や荒木経維など写真家の作品を多く扱って来ましたし、銀座のシロタ画廊、養清堂さんは版画専門ギャラリーの老舗といってよいでしょう。

 なので、まずはそういったギャラリーの情報を集め、出来れば実際に訪問してみてスタッフの方から話を伺ってみると良いと思います。

 後は、版画のオンラインショップもありますし、TAG BOATも色んな作家の作品を販売していますが、兎に角、インターネットで細かく検索し、雑誌の美術特集や美術雑誌などで有望な新人がいないかどうか?を精力的に検索すべきです。

 ここが最も大切な事ですが自分が魅力を感じる版画が無いかどうかを地道に調べることです。

 ※写真は1966年にヴェネツィア・ビエンナーレ展版画部門でで国際大賞を受賞した池田満寿夫の『タエコの朝食』(ドライポイント・エッチング)です。
  池田満寿夫が有名人となった1980年代でも銀座の番町画廊などで30万円ほどで購入出来ました。

 ■関連ページ 『版画の種類を解説しました。各種版画の有名作家と代表作についても掲載し解説しています

 

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