札幌市在住のパステル画家、デジタルアート作家の横田昌彦です。
前回は『パステル画で有名な画家にはどんな画家がいますか?第1回目オディロン・ルドン』でオディロン・ルドンのパステル画について解説しました。
今回はその2回目で『踊り子の画家』エドガー・ドガについて解説します。
ルドンと並んで有名なパステル画家と言えばドガです。
というか、パステル画の巨匠といえばこの2人しかいません。
油彩画家やアクリル画家、日本画家と比べパステル画家というのは非常に競争倍率が低いです。
これは今でもそうで、戦後生まれた有名なアーティストでパステル画家というのは一人もいません。
ただ、10年ほど前にヨーロッパでパステル画専門の美術学校があるとネットで見つけて詳しい内容を読んだことがあるのですが、今は海外のgoogleで検索しても見つかりません。
もう無くなってしまったのかも知れません。
ドガのパステル画ですが、私は参考にした事はないです。
嫌いではないですが、好きでもないですね。
理由は、意識して考えてみた事は無いのですが、やはり、ルドンと違って作品に深い精神的な内容がない。
外部の環境を主に造形的な興味で描く画家であることと、バレー自体にあまり興味がないからでしょうねえ。
カンディンスキーとか、ヨーロッパの画家はバレー好きが多いですよね。
ドガの良さは、その構図が音楽的で、画面の人物を目で追っていくとリズミカルでかつメロディアスで躍動感があり斬新です。
そういう面では一度、改めて研究してみようかなとも思います。
ドガのパステル画は一度、北海道の美術館で大規模な展覧会があって、じっくりと観た事があります。
すこし驚いたのは段ボールのような紙に描いているものもあって、意外なまでに本当に薄く軽いタッチで描線されています。
それが、かえって色の彩度を際立たせて、何とも新鮮な言葉にしずらい魅力があり、一度みるとずっと観ていたい欲望にかられます。
線にスポーティーな勢いがあるからでしょう。
ドガは画家の友人に対してプライドが高く気難かしく、訪ねていった画家を不愉快にさせてしまうこともあったようです。
ただ、彼の『アブサン(カフェにて)』や『浴槽』などの絵を観ると、決して冷たい性格ではなく、社会で虐げられているひとや、女性に対しても易しく温かい視線を投げかけていて根は温かい人だったのではと思います。
文字通り、不器用だったんでしょうねえ。
ドガがパステルを使用し始めた理由は47歳のとき、視力が低下し、油彩より絵に目を近づけて描けるパステル画や、彫刻、リトグラフの制作が増えていったようです。
さらにバレーの練習舞台などで、興味がそそられると一気に制作を始めるため、乾かす必要もなく素早く一気に描線できるため、パステルはドガに最適な画材だったのでしょう。
墓碑銘には「この男は生涯デッサンをした」と掘ってくれと遺言したデッサン家
アングルやピカソ、安井曽太郎のようなデッサン家タイプの画家はドラクロア・マチスやボナール、梅原龍三郎のような色彩家(カラリスト)と比べ色彩使用の腕が落ちる場合が多いですが、ドガの場合、けっしてそのようなことはありません。
それは、発色と彩度に優れるパステルの効用もあると思います。
デッサン家のアングルを尊敬し、敬愛するアングルから
「徹底的にデッサンしなさい。一つでも多くの線を引きなさい。」
という言葉を生涯大切に守り墓碑銘には
「この男は生涯デッサンをした」と書いてくれと遺言を残しました。
40歳の時に銀行家の父が死去し、長男であったドガは莫大な借金をかかえ、返済のために家や財産などを売却しました。
晩年になるほど目が見えなくなり、78歳の時にはヴィクトール・マッセ街のアトリエが取り壊しとなり、強制的に立ち退かされます。
絵を描くこともままならなくなり、健康面の衰えもあり絵を描くことを止めてしまいます。
しかしこの頃にはドガの作品は極めて高価な値が付くようになりました。
好きな馬の彫刻を作るので意欲を繋いでいたようですが、917年9月27日死去。モンマルトルの墓地に埋葬されました。享年83歳でした。
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