パステル原画と同サイズのジクレー版画販売一旦中止のお知らせです!

今日は。

札幌在住のパステル画家、横田昌彦です。

今日は先日告知させていただいた、『パステル原画と同サイズのジクレー版画販売』を急遽一旦中止させていただくことのご報告です。

原画と同サイズジクレー版画の販売のため、制作依頼をするグラフィック社との技術的なことについて何度かやり取りをさせていただきました。

しかし、A0サイズ((841mm×1189mm)の大画面を、所有するスキャナーでスキャン(読み取る)する事に対し前例がなく、かつ取扱いにパステル画破損の危険が伴うため、現時点で技術的に困難であるとの回答をいただきました。

まず、パステル画は完成した後パステル画用のフィキサチフ(定着液)を吹きかけますが、実質蝶の羽を強化した位の強度しかありません。

そこで、こちらで作成した箱に原画を梱包しアート作品搬入業者に依頼してグラフィック社に送付。

スキャンしてイメージデータ作成後再び札幌に送り返すだけでも、普通は大丈夫なのですが破損の危険が伴います。

現在、グラフィック社さんで提携している文化財保護機関をご紹介いただけるということで連絡待ちですが、それでも、輸送時の危険性はぬぐえないと思います。

では、デジカメで画面の部分を撮影しパソコンで合成する作業はどうか?

それも検討しましたが、『こちらの記事』のような大判絵画のスキャナーでの解像度に到底及びません。

このやり方であれば今まで通りA4,A3は期待する解像度が達成できておりますが、A2への対応がぎりぎり可能か?という段階です。

ゆえに、現時点でのA3を超える大きさのジクレー版画制作と販売は中止させていただきます。

一度、発表しておき私も残念なのですが、ご了承何卒よろしくお願いいたします。

アクリルや油彩、日本画用絵具で描く可能性について

最近は、村上隆や会田誠という東京芸大日本画家卒の画家が『現代にふさわしい日本画』というコンセプトでわざと日本画用の岩絵の具を膠で解いて和紙に描くことを明治期に岡倉天心などがでっち上げた迷信と拒否して、キャンバスにアクリル絵具で描くことが全盛となっております。

最も、アクリル絵具を高い表現技法で完成度の高い作品を描いた先駆者はイギリスのデビッド・ホックニーだと思います。

ゆえに、大学時代はこれに感化されて随分アクリル絵具の使用方法を研究しました。

実は、私がパステルで全面的に描画する前は油彩、次に日本画絵具を膠やテンペラ溶液で解いて描く、そしてアクリル絵具で描く時期が長く続きました。

きっと今の私を見ると意外だと思われると思います。

ですから。これらの画材、特に油彩とアクリル絵具はウィンザー&ニュートンやルフラン、マツダスーパー油絵具。アクリル絵具はGOLDEN ACRYLICSなど様々なメーカーのものを使用して試行錯誤し、キャンバスや筆などもフナオカキャンバスや名村の筆など多くの種類のものを試しており精通しています。

では今後強度に優れるアクリルや油彩などを再び使用するようになるか?ということですが、部分的にF80などの大作サイズの制作で一部パステルの代用として日本画の岩絵具使用などを考えていますが、全面的に切り替える気はまったくありません。

確かにパステル画は強度が弱く儚いです。

ルーブルにある私が好きな私と一番資質が共通しているオディロン・ルドン作品展示室は、変色を防ぐため薄暗い部屋に作品の下から証明を当て独特の神秘的な展示空間になっています。

しかし、儚いからこそ人生や自然をより体現しているのではないでしょう?

ルドンやドガのパステル画はもろいゆえに貸出しや輸送が困難で、その傑作は所有する美術館に行くか、運よく三菱美術館などで鑑賞できる機会を逃さずに観に行くかのどちらかです。

しかし、この事がお金さえ出せば飛行機で空輸して世界の色んな場所で鑑賞できるのというのではなく、世界で唯一のその美術館でしか観られない。

しかも作品の退色保護のため一部しか期間限定で展示しない。という不便さこそ現代にかえって貴重で相応しいものと考えています。

その土地にしかないものはその土地に行かないと体験できない。

金を出しても体験できないもは体験できない。

私のパステル原画も結局、私の家の一室でしか現在のところ鑑賞していただけません。

パステル原画は圧倒的な見事さと美しさ繊細さがありますが、だから『札幌のこの一室でしか観られない』という希少さが現代にあっていると思うのです。

ゆえに、原寸大ジクレー版画も現時点の技術で作れないことがかえって良いのではないでしょうか?

開き直った言い方かもしれませんが(笑)、レプリカ(複製画)はしょせんレプリカでしかない

しかし、レプリカには気軽に原画の魅力を楽しめるという長所もあります

これはスタジオ録音とCDの関係と同じですね。

ですから、小サイズのジクレー版画を同様の意図で安価で販売しているのです。

近い将来皆様のご協力で私の作品が、札幌に私設した美術館や、他の美術館に収納され展示されることを切に願っています。

以上のような理由で私は終生パステル画家でいたいと思っております。

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